ピリカ号|観光バスで巡る阿寒湖・摩周湖・アイヌコタン(北海道) ☆☆

2021年2月21日

アイヌコタンの入り口

こんな人にオススメ

・摩周湖や阿寒湖の周辺を、楽に観光したい

・北海道らしい大自然を見たい

・アイヌ文化に触れたい

ピリカ号とは

ピリカ号の案内

「ピリカ号」は、釧路から発着する観光バスです。

レンタカーがないと行きづらい観光地を、1日で効率よく回ってくれます。

釧路周辺の観光では、必須と思えるぐらいオススメの観光バスになります。

ピリカ号:予約サイト(冬の間はちょっとコースが変わります)

釧路から出発

釧路駅の外観

それでは、ピリカ号を紹介していきます。

乗車場所は、釧路市内の3ヵ所(釧路駅・フィッシャーマンズワーフMOO・釧路プリンスホテル)からです。

バスにトイレは付いていないので、お手洗いを済ませてから乗り込みましょう。

各観光地にはトイレがありますので、ご安心を。

 

摩周湖(ましゅうこ)

霧の摩周湖

最初に訪れるのは、霧で有名な摩周湖です。

僕は8月に訪れましたが、夏場は霧が発生することが多いらしくて、湖がほとんど見えませんでした。

水の透明度が世界2位ですが、この霧ではスゴさが分かりません。(透明度の世界1位は、ロシアのバイカル湖)

カムイシュ島

摩周湖のカムイシュ島

ちょっとだけ晴れてきて、摩周湖に浮かぶカムイシュ島が見えました。

アイヌの伝承によると、この島は元”おばあちゃん”です。

なに言ってんだと思われるかもしれませんが、悲しいストーリーがあります。

アイヌの伝承

部族の抗争に負けた一族の、老婆とその孫が命がけで逃げていました。

ですが、老婆は途中で孫とはぐれてしまいます。

孫を探して摩周湖にたどり着いた老婆は、来る日も来る日も孫を待ち続けて、いつしかカムイシュ島になりました。

摩周湖に誰かが来ると、老婆は「孫が現れた!」と思って嬉し涙を流します。

それが霧であり、吹雪になります。

カムイシュ島に変身する流れが急展開すぎますが、話が暗い・・・。

霧で摩周湖が見えないときは残念がらずに、「お婆ちゃんが喜んでいるんだな」ぐらいに思うようにしましょう。

 

硫黄山(阿寒国立公園)

硫黄山(阿寒国立公園)

続いては、硫黄山(アイヌ語でアトサヌプリ)です。

訪れるまで、阿寒湖の近くにこんな山があるとは知りませんでした。

あちこちからガスが噴出していて、異世界感があります。

硫黄山(阿寒国立公園)

硫黄はマッチや火薬の原料になるので、明治時代に積極的に鉱山が開発されました。

この山では釧路集治監(刑務所)の囚人が採掘をしていましたが、一年中、硫黄を吸っているので、看守も含めて中毒者になる人が続出したそうです。

硫黄山(阿寒国立公園)の噴気孔

スッゴイ臭いですが、噴気孔の目の前まで行けます。

硫黄がこびりついて、岩が黄色に染まっていますね。

噴気孔の動画

噴き出すガスは熱いので気を付けてください。

こんなに近くで噴気孔を見れる場所って、世界でも珍しいんじゃないでしょうか。
(僕が知る限り、日本ではココだけ)

硫黄山(阿寒国立公園)の風景

火山大国の日本でも中々見ることができない光景なので、ぜひ訪れておきたい観光地です。

遠くからの景色だけなら箱根の「大涌谷」が似ていますけど。

 

屈斜路湖(くっしゃろこ)の砂湯

屈斜路湖の砂湯

次は屈斜路湖です。

ここは、砂を掘ると温泉が湧き出るスゴイ場所です。

屈斜路湖の砂湯

スコップを持参していたり、豪快に手で掘っている人もいます。

屈斜路湖の砂湯

触って見ると、普通にあったかい温泉でした。

熱すぎた場合は、湖の水を入れて温度を調整します。

(掘られた穴は、施設の職員が砂を戻してるのかな?)

屈斜路湖の飲める温泉

無料で飲める温泉もあります。

痛風・胃腸・じん麻疹などに効果があるみたいです。

屈斜路湖のアイスクリーム

温泉を飲んでみるとしょっぱかったので、甘いものでお口直しです。

北見市の「クレアート」というお店のアイスになります。

 

クッシー

屈斜路湖のクッシー

1970年代にネッシー(ネス湖の未確認生物)ブームが起きた時に、日本中の湖で「〇〇ッシー」という亜種が誕生しました。

その中でも、屈斜路湖のクッシーと、鹿児島県池田湖のイッシーが全国的に有名だったそうです。

 

アイヌコタン(阿寒湖)

アイヌコタンの入り口

最後は、阿寒湖の「アイヌコタン」です。

アイヌをテーマにした小さな村で、伝統工芸品のお店などが並びます。

入り口に飾ってあるフクロウは、アイヌでは村の守り神になります。

 

阿寒湖アイヌシアター イコロ

阿寒湖アイヌシアター イコロの外観

アイヌの古式舞踊も見ることが出来ます。

伝統芸能的な踊りなので、あまりエンタメ性はありません。

布を頭上に掲げて踊るのは、鶴を表現した”サロルンリムセ(鶴の舞)”になります。
(最初見たとき、雨乞いでもしてるのかな?と思いました)

 

民芸喫茶 ポロンノ

民芸喫茶 ポロンノの外観

ジビエ(野生の鹿や猪を使う)料理が食べられる「民芸喫茶ポロンノ」です。

多分、アイヌコタンの村で一番有名なお店になります。

民芸喫茶 ポロンノの食事

ユック(エゾシカ)スープとご飯のセットを注文しました。

シンプルな味付けで、臭みなどはそんなにありません。

 

マリモ展示観察センター

阿寒湖の観光船乗り場

阿寒湖に浮かぶ「チュウルイ島」へ行く場合は、フェリーで往復85分かかります。

バスツアーだと阿寒湖の滞在時間は120分(冬は60分)なので、フェリーに乗るのはまず無理です。
乗れたとしても、食事やアイヌコタンに行く時間が無くなります。

でもチュウルイ島には、「世界最大のマリモが展示されている」というじゃないですか。

阿寒湖のマリモ

そんなの聞いたら、行くしかありません。(マリモに関する知識は、ゆるキャラの”まりもっこり”ぐらいですけど)

僕は観光バスをここで降りて、別のバスで帰る選択をします。

ピリカ号に乗ってても、もう釧路まで帰るだけですし。

阿寒湖の観光船の外観

それでは、阿寒湖に浮かぶ「チュウルイ島」を目指します。

アイヌの装飾がされた船で出発です。

ちなみに冬の間は運休しているので注意してください。

阿寒湖フェリー:運行状況

阿寒湖の風景

「アマゾンの奥地に来ました」と言っても、ギリギリ信じてもらえそうな風景です。

阿寒湖のチュウルイ島

チュウルイ島に到着です。

マリモっぽいキャラクターが道案内をしてくれます。

 

マリモ展示観察センター

阿寒湖のマリモ展示観察センター

建物の中には、大量のマリモが展示されています。

マリモは藻の一種で、普通は岩に付着していますが、阿寒湖では波の力で回転するので丸いマリモ(毬藻)になります。

また阿寒湖では数年に一回大きな嵐がやってきて、マリモの天敵である水草を押し流してしまいます。

なので天敵のいなくなった阿寒湖では、大きいマリモが育ちやすくなるのです。

世界最大級のマリモ

阿寒湖の世界最大級のマリモ

これがお目当ての世界最大級のマリモです。

高さは25cmぐらいでしょうか。

これぐらい大きくなるには5〜9年かかるそうです。

マリモの大きさや生息数では、阿寒湖が世界一に認定されています。

浮かぶマリモ

阿寒湖の浮かぶマリモ

かつて「マリモは浮かばない」と思われていましたが、実は浮きます。

マリモは藻の一種なので、当然ながら光合成をします。

光合成で発生した酸素の浮力が、マリモの重量を超えると浮いてくるわけです。

僕が行った時は、ちょうど浮いているマリモがいました。
(マリモの表面を見ると空気の粒が見えますね)

 

崩れるマリモ

阿寒湖の崩れるマリモ

マリモの最後として、崩壊した姿も展示されています。

マリモの中心は空洞なので、ある程度の大きさになったら、岸に打ち上げられるか崩壊するそうです。

阿寒湖のチュウルイ島

ピリカ号を途中で降りてしまいましたが、マリモが激レア生物であることが分かりました。

北海道の土産屋で大量に売られているマリモは、人の手で丸められたものです。

阿寒湖のマリモは特別天然記念物に指定されているので、採ると犯罪になります。(文化財保護法違反)

 

クマに出会ってしまったら?

クマに出会ってしまった場合の注意

帰りのバスを待っていると、クマに出会った場合の注意事項を見かけました。

山に入らなければ遭遇することもほぼ無いとは言え、いざという時には命を救われそうな情報ですね・・・。

ん?

クマに出会ってしまった場合の注意

「そっと鉈(なた)を手にする!」

 

観光客に無茶をおっしゃる。

 

最後に

硫黄山(阿寒国立公園)の風景

ピリカ号は、一人旅にもグループ旅行にも、どんな場合でもオススメできる観光バスです。

バスガイドさんの案内によって、ただの移動時間が観光に早変わりします。

ぜひ釧路エリアに行くときは、ピリカ号を利用してみてください。

ピリカ号:予約サイト

個人的にはノーマークだった硫黄山が衝撃でした。

 

 

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