知床半島|豊かな自然が広がる世界遺産(北海道) ☆☆

2021年2月14日

知床五湖の高架木道

こんな人にオススメ

・大自然が好きだ

・日本の世界遺産を制覇したい

・知床を楽しむためのポイントを知りたい

知床(しれとこ)半島とは

知床五湖の風景

知床は、北海道の一番東の方にある半島で、豊かな自然が残る地域です。

地名の語源はアイヌ語で、「陸地の端(シリ・エトク)」という意味になります。

今回は、まさしく日本の端にある知床半島について紹介します。

 

世界遺産に選ばれた理由は?

まずは知床の特徴から説明します。

知床は2005年に世界遺産にも選ばれましたが、その理由は大きく3つです。

理由1:独自の食物連鎖

知床五湖の風景

知床は、冬になると流氷が流れ着きます。

流氷には栄養豊富な藻類(アイスアルジー)などが含まれているので、それらが元となって豊かな生態系を創り出します。

「流氷なんて北極圏ならどこでも流れ着きそうだし、何が珍しいんだ?」と思うかも知れませんが、知床は北半球で最も低緯度(南)まで流氷が到達する海域です。

言い換えると、北極圏で一番暖かい地域に栄養豊富な流氷がやって来るので、一番効力を発揮するわけです。

 

理由2:希少な動物たち

知床のエゾシカ

流氷パワーで土地が豊かなので、それに比例して動物たちも多くなります。

シマフクロウやオジロワシといった希少な生物も数多く分布していて、ヒグマやエゾシカなどの大型哺乳類も、他の地域とは比べものにならないほど高密度で生息しています。

僕は野生のエゾシカを、1日の知床旅行で2回見かけました。

 

理由3:保護管理体制がスゴイ

知床五湖のコース紹介

知床は、人の利用と自然保全の両立を実現しています。

「知床世界自然遺産地域科学委員会」、「知床国立公園利用適正化検討会議」、「知床エコツーリズム推進協議会」といった組織が、科学的な視点から管理をしています。(いまいち組織の違いが分からん、とか思っちゃダメです)

その管理体制が評価されて、世界遺産登録への後押しになりました。

たしかに知床五湖に入るにはレクチャーを受ける必要がありますし、そこまでしてる観光地って、世界でもあんまりないですね。

 

オシンコシンの滝

それでは知床の観光地を見ていきます。

まずは最初に通るであろう、オシンコシンの滝です。

知床のオシンコシンの滝

オシンコシンの滝は、落差50mの分岐瀑(流れが枝分かれしている滝)で、「日本の滝100選」にも選ばれています。

滝の真ん中ぐらいまでは、階段で上がることが出来ます。

知床のオシンコシンの滝

近くで見れるので結構な迫力です。

ガイドブックとかには「2本に枝分かれした滝」と解説がありますが、ギリギリ3本あるように見えます。

一番左の滝が、かなり弱々しいけど。

 

ゴジラ岩

知床のゴジラ岩

オシンコシンの滝から7kmほど進むと、ゴジラ岩が見えてきます。

少し無理がある気もしますが、ゴジラです。

見る角度を間違えると、ただの岩にしか見えないので注意しましょう。

 

知床五湖

知床五湖の入り口

知床観光のメインとも言うべき、「知床五湖」です。

大自然がそのまま残っていて、エゾシカやエゾリス、ヒグマなどが多く暮らしています。

3つのコース

知床五湖のコース紹介

3つのコースがあり、地上の遊歩道を歩く場合は、注意事項などのレクチャーを受ける必要があります。

雨が降ったあとは結構ぬかるむので、山のハイキング装備で行きましょう。(長袖、長ズボン、アウトドア用の靴、防虫スプレー)

知床五湖のヒグマの剥製

地上コースにヒグマが出た場合は、安全が確認されるまで閉鎖されます。

ウッドデッキみたいな道(高架木道)は、元々ヒグマが来れないようになっているので、いつでも通れます。

 

五湖

知床五湖の五湖

それでは散策していきます。

「五湖」と名前が付くぐらいですから、一湖〜五湖の5つの湖があります。

水面に、木々が反射してキレイです。

 

四湖

知床五湖の四湖

原生林が続きます。

木にエゾシカの角研ぎ跡や、ヒグマの爪跡が付いていることがあるので、注意深く進みましょう。

僕は見つけられませんでした。

 

三湖

知床五湖の三湖

続いて三湖です。

えっ?湖の違いが分からない?

僕もです。

 

知床五湖がハイキング好き向けの理由

知床五湖の道

ここで知床の注意事項を一つ。

知床五湖は、元々ハイキングが好きな人向けの場所です。

思い出して欲しいのですが、知床が世界遺産に登録された主な理由は”豊かな生態系”なので、景観が特別優れているわけではありません。

よく言えば「手付かずの大自然」で、悪く言えば「ただの湖」です。
(実際1970年代までは本当にただの湖で、観光地でもありませんでした)

知床五湖の道

山道も割と普通です。

植物とかに詳しくない場合は、現地ガイドに申し込むべきだったと思います。 

知床五湖の登録引率者一覧(一番下に「予約ページ」があります)

 5〜7月(ヒグマ活動期)は現地ガイド必須ですが、他の時期は任意です。

 

二湖

知床五湖の二湖

気を取り直して、続きです。

それでも湖に映る山々はキレイなものです。

ちょっと曇ってたのが残念。

 

一湖

知床五湖の一湖

最後の一湖です。

所要時間は、全部回って90分ほどになります。

帰りは、次の高架木道を通ります。

 

高架の木道

知床五湖の高架木道

安全でバリアフリーな高架木道です。

足場には電気柵があるので、万が一ヒグマが現れても、木道には登れないようになっています。

知床五湖の高架木道

この高架木道のコースだけだと無料で、レクチャーも不要です。

冬の間(12〜3月)、地上コースは閉鎖されますが、この高架木道は一年中通行できます。

 

知床自然センター

知床自然センターのフードコート

知床五湖から10kmほど行ったところに、「知床自然センター」があります。

売店やフードコートもあって、北海道らしいメニューが揃いますので立ち寄りましょう。

有名な「フレペの滝」までの遊歩道もあります。

鹿肉バーガー

知床自然センターの鹿肉バーガー

最初に目に付いた鹿肉バーガーを頂きます。

観光地のご当地バーガーが、300円って安くないですか。

肉は柔らかくて、味は牛よりちょっと淡白でしたが、薄味が好きな関西人にはちょうど良いです。

 

こけもも味のソフトクリーム

知床自然センターのこけもも味のソフトクリーム

”こけもも”が何かも知りませんが、とりあえず注文します。

食べてみると、ベリー系の甘酸っぱい味です。

こけもも(苔桃)はクランベリーとかの仲間で、寒さに強くて-40℃にも耐えるんだとか。

北海道でも自生するわけですね。

 

樹木に関する展示

知床自然センターの展示

施設内には、樹木に関する展示があります。

こういう展示はただの図鑑になりがちですが、ここのスタッフは一味違いました。

知床自然センターの展示

親しみやすいイラストで植物を解説しています。

こういう工夫、大好きです。

他にもたくさんの樹木が紹介されていました。

 

「フレペの滝」までの遊歩道

知床自然センターの遊歩道

フレペの滝までは片道1kmなので、40分もあれば往復できます。

途中、尋常じゃない数のツバメ(多分)が飛び回っていました。

ツバメの動画

ちょっと見づらいですが、黒い点はすべてツバメです。

 

エゾシカとも遭遇

知床自然センターのエゾシカ

最後の方で、野生のエゾシカにも出会えました。

知床自然センターのエゾシカ

スゴイ角度の斜面を走っていきます。

左は崖なので、足を滑らせて転ばないか、ちょっと心配になりました。

 

フレペの滝

知床自然センターのフレペの滝

ひっそりと流れるフレペの滝です。

「なにコレ?水の量しょぼくない?」と思うのは、少し待ってください。

この滝は、岩盤から直接地下水が流れ出している非常に珍しい滝です。
周りには川や湖もないので、地面から水が湧き出しいるようにも見えます。

水量は少ないですが、その神秘さから「乙女の涙」とも呼ばれています。

 

アクセス

知床斜里駅の外観

最寄り駅の「知床斜里駅」から、一番遠い知床五湖までバスで1時間20分ほどです。

ただしバスは1〜2時間に1本とかのレベルなので、あまりオススメは出来ません。
(僕は定期観光バスを組み合わせて、なんとか回りました)

バス案内:網走バス公式サイト

2名以上で楽に回りたい場合は、観光タクシーも選択肢の一つになるかなと思います。

網走からは1時間ぐらいなので、普通に日帰り出来ます。

知床 観光タクシー

最後に

知床自然センターのエゾシカ

知床は世界遺産ですが、世界最高レベルの絶景を期待すると肩透かしを食らうかもしれません。

世界遺産になった経緯を踏まえつつ、大自然を楽しみましょう。

繰り返しになりますが、植物などに詳しくない場合は、現地ガイドの予約をオススメします。

知床五湖の登録引率者一覧(一番下に「予約ページ」があります)

 

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