記事の要約
・復元された箱根関所を紹介
・事前に知っておきたかった豆知識
・実は警備はユルかった?
箱根関所とは
「箱根関所」は神奈川県の芦ノ湖(あしのこ)にあった関所を復元したものです。
かつての江戸幕府は治安維持のために、全国に53ヵ所の関所を建てました。
その中でも、江戸に近くて重要拠点だった「箱根関所」を紹介していきます。
関所の役割
関所と聞くと、「門番が立っていて、許可のない者は絶対通さない!」みたいなイメージがあるかもしれません。
でも実は、江戸へ入るときは割とノーチェックでした。
実際の箱根関所の役割はなんだったのか、解説していきます。
(関所によって、その役割が少し異なります)
箱根関所の役割1:大名の奥方を逃がさないため
江戸幕府は、各地の大名が謀反を起こさないように、その奥さんを人質として江戸に住まわせていました。
人質が逃げてしまうと非常にマズイので、江戸から出る女性(通称:出女)は厳しく関所でチェックされます。
確認する専門官は必ず女性だったので、「人見女」や「改め婆」と呼ばれて恐れられました。
箱根関所の役割2:江戸に鉄砲を持ち込ませないため
通行手形が必要なのは「出女」「怪我人」「死人」「不審者」だけで、多くの人は意外と自由に通行していたそうです。
でも江戸に運び込む荷物は、鉄砲や武器が含まれていないか厳しくチェックされました。
この重要な役割を二つ合わせて「入鉄砲と出女」と呼んでいたので、箱根関所を訪れるときに意識してみてください。
箱根関所を紹介
それでは箱根関所を見ていきます。
本物の関所は江戸末期に取り壊されましたが、2004年に発掘調査に基づいて正確に復元されました。
関所の入り口
関所の中に入っていきます。
箱根は山に囲まれていて道が限られているので、関所を作るには最適の場所でした。
江戸の治安を脅かす関所破りは、当時では最も罪が重い「はりつけの刑」で死刑になります。
(ちなみに一つ罪が軽くなると、さらし首です。あんま変わらん・・・)
シルエット展示
当時の様子を再現するために、人や馬の模型が置いてあります。
色が塗られていませんが、決して予算が無かったわけではありません。
発掘調査でも衣服の色や馬の種類までは分からないので、史実と違うイメージを避けるために、あえて色を塗らずに「シルエット展示」としています。
遠見番所
階段を登った先には、当時の見張り台があります。
階段は69段でショボく見えるかもしれませんが、足場が悪いので気を付けて登りましょう。
多分、夏の暑い日に行くと死ぬと思います。
当時の見張り台では、2人1組みで昼夜を問わず交代で見張っていました。
見張りをしている人物も、ちゃんと人形で再現されています。
見張り台がある場所なので、周辺を一望できます。
芦ノ湖も見渡せて、なかなか良い眺めです。
復活の井戸
140年以上前に作られた井戸ですが、今でも水が沸き続けています。
お城の井戸とかは枯れていることも多いのにスゴイですね。
休息所
これは休息所で食事をとっているシーンです。
関所にいる役職や人数なども、調査に基づいて配置されています。
関所の全景
他にも台所やお風呂など、調査で判明した施設の一式が再現されています。
箱根関所資料館
関所から200mほど離れた場所に、資料館があるので合わせて行っておきましょう。
こんな感じの石畳の道を通っていきます。
資料館の外観です。
展示内容は、歴史マニア以外にはちょっと厳しいかもしれません。
チケットは箱根関所と共通になります。
所要時間と混雑具合
箱根関所30分+資料館15分で、合計45分ぐらいかと思います。
ほとんど屋外の展示なので、混雑するような場所はありません。
営業時間と入場料、お得な割引
営業時間 | 9:00~17:00(12月~2月は16:30まで) | |
定休日 | 年中無休 | |
拝観料 | 大人500円、小学生250円 | |
公式サイト | 利用案内(最新情報を確認下さい) |
箱根フリーパスを持っていれば、料金が100円引きになります。
アクセス
住所 | 〒250-0521 神奈川県足柄下郡箱根町箱根1番地 | |
電話番号 | 0460-83-6635 | |
駐車台数 | 専用駐車場は無し | |
駐車料金 | 専用駐車場は無し | |
公式サイト | 交通アクセス(最新情報を確認下さい) |
箱根町港から歩いて5分ぐらいで、関所に着きます。
行く場合のルートは「箱根ロープウェイ(大涌谷) → 箱根海賊船 → 箱根町港 → 徒歩」がオススメです。
このルートが良い理由は、ロープウェイの運休の影響を受けにくいからですが、詳しくは箱根海賊船のページで解説しています。
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箱根の交通状況(まとめて箱根の交通状況が分かるので便利)
地図
最後に
箱根関所は、予備知識無しで行くと「ちょっと眺めが良い場所」で終わるかもしれません。
ボランティアガイドさんが解説してくれることもありますが、この記事で紹介したことを頭の片隅に置いておくと、より楽しめるかなと思います。