こんな人にオススメ
・ド派手な仏教建築が見たい
・画家の平山郁夫が好きだ
耕三寺(こうさんじ)とは
耕三寺は、広島県の生口島(いくちじま)にある浄土真宗の寺院です。
ただの寺院ではなく、本格的な洞窟やヨーロッパ風の現代建築があったりと、日本で一番ジャンル分けが難しい寺院になっています。
「母の寺」として建立
耕三寺は、実業家の耕三寺耕三(旧名:金本 福松)が母親への感謝を込めて、故郷である生口島に建立したのが始まりです。
世の中のすべてのお母様にありがとうと心から手を合わせる「母の寺」として親しまれています。
寺院の見どころ
敷地内にはたくさんの寺院がありますが、ほとんどは日本の有名寺院を模倣したものです。
その中から少しだけ紹介します。
孝養門(こうようもん)
栃木県の日光東照宮をオマージュしたもので、「西の日光」とも呼ばれています。
しかし偽物と侮ってはいけません。
文部科学省に1組だけ残されていた日光東照宮の図面を借り受け、10年の歳月をかけて造られた本格派なのです。
その豪華絢爛さは、本物にも負けていません。
本堂
本堂は、十円玉で有名な平等院鳳凰堂を参考に建立されています。
屋根の上には、一万円札に登場する鳳凰像もちゃんといます。
潮聲閣(ちょうせいかく)
昭和4年に別荘として建てられたもので、豪華な室内装飾や庭園などを楽しむことができます。
建物は和洋折衷となっており、大正ロマンが溢れる仕様になっています。
絵入りの格天井(ごうてんじょう)が特にキレイで、見ていたら首が痛くなりました。
千仏洞地獄峡(せんぶつどうじごくきょう)
洞窟は、地下約15m・全長350mもある大規模なものです。
浄土教の祖、源信僧都(げんしんそうず)の教えを視覚的に表現した内容となっています。
本格的な洞窟
ワクワクする感じの洞窟が続きます。
少しグロテスクな地獄なども出てくるため、小さいお子様は注意が必要です。
神秘的な空間
進むと大量の仏像様が安置されている広いエリアに出ます。
滝も流れていて、こんな寺院初めて。
救世観音大尊像(くぜかんのんぞう)
奈良県の法隆寺、夢殿・秘仏救世観音が手本となっています。
高さは15mもあるため迫力抜群です。
色使いが鮮やかすぎる気もしますが、現代の素朴な木の仏像は塗装が剥げているだけで、製作当時はケバケバしいものも多かったとか。
未来心の丘(みらいしんのおか)
家族愛をテーマに、広島県出身の彫刻家 杭谷一東(くえたにいっとう)によって製作された大理石の庭園です。
まるでヨーロッパにワープしたかのような異世界感があります。
大理石は全てイタリア製
5000平方メートルの敷地に使用されている3000トンの大理石は、全てイタリアから運んだと言うから驚きです。
光明の塔
彫刻は11種類ほど展示されていて、仏教護法の十二天(仏教を守る12神)がモチーフになっています。
「光明の塔」の場合は、太陽を神格化した「日天(にってん)」が表現されていて、西に沈む太陽に合掌している様子を表しています。
入館料と所要時間
チケット料金は大人1400円で、寺院としては安くありませんが見応えは十二分にあります。
所要時間は90〜120分ぐらいです。
アクセス
新幹線も止まる「三原駅」からフェリーで行くのがおすすめです。
「マルト汽船」と「弓場汽船」の2社が運行しており、大体30分に1便ありますので到着時間に合わせて利用しましょう。
最後に
耕三寺はお寺なんだけど、洞窟あり、現代建築ありで3度おいしい謎の存在です。
決して他では味わえない組み合わせを、ぜひ堪能してみてください。
周辺の観光情報
向上寺(こうじょうじ)
耕三寺から徒歩10分のところにある曹洞宗の寺院です。
山頂まで行くには少し体力を使いますが、頂上からは瀬戸内海や三重塔の素晴らしい景観が広がります。
画家で有名な平山郁夫(ひらやま いくお)の故郷でもあり、幼少期にはこの山でよく遊んでいたそうです。
近くに平山郁夫美術館もありますので、興味のある方は行ってみましょう。