記事の要約
・本物の宇宙船がまとめて展示されているのは日本でここだけ
・キャッチフレーズは「ド田舎の博物館に何が起きた!?」
・江戸時代からUFOの目撃があったスポット
コスモアイル羽咋(はくい)とは
コスモアイル羽咋は、石川県にある宇宙科学博物館です。
日本で宇宙関係の展示物といえばハリボテが多い印象ですが、ここでは驚くことに本物の宇宙船が展示されています。
世界でも有数の貴重なコレクションが、なぜド田舎に展示してあるのか紹介していきます。
UFOで町おこし
博物館のある羽咋(はくい)市は、古文書にも出てくるくらいUFOの目撃情報が多い場所です。
そこに目を付けた当時の公務員が、UFOでの町おこしを考え付きます。
紆余曲折あって、なんとか宇宙博物館の建設に乗り出しますが、予算の壁にぶち当たります。
展示の目玉になりそうなものはアメリカかロシアが持っていますが、市の博物館にそんなものを買うお金はありません。
そこで担当の公務員は何を思ったか、単身でアメリカのNASAに突撃します。
そして熱心な交渉でNASAの職員にも気に入られたらしく、結果的には100年のレンタル契約を成功させてしまいます。
公務員すげえ。
NASAの協力でロシアからも宇宙船を買うことが出来たので、このド田舎に日本一の宇宙コレクションが誕生しました。
実際に使用された本物のロケットや、アポロ計画で使われた機器の数々など見応えのあるものばかりです。
それでは実際の展示物と合わせて紹介していきます。
展示物の見どころ
レッド・ストーン・ロケット
まず博物館の前に立っているのが、「レッド・ストーン・ロケット」です。
アメリカが初めて造った大型ロケットで、最初の人工衛星やアメリカ人宇宙飛行士を運んだ機種になります。
展示されているのは実際に打ち上げられた本物の機体です。(先端部分だけレプリカです)
塗装なども当時のままですが、綺麗な状態を保っています。
お金をかけてメンテナンスしているのかと思いきや、アルミとマグネシウムの合金製なのでほとんど錆びないのだとか。
さすが本物。
これが鋼鉄製のレプリカだった場合は、錆止めのメンテナンスだけで年間300万円かかるそうです。
月面車
建物に入ると、アポロ計画で活躍した月面車が展示されています。
実際に使用された機体は月に残されているので、これはバックアップ機になりますが使われている機器は本物です。
(厳密には、今は地球用にゴムタイヤを履いてますが、月へ行くときはメッシュ構造のタイヤになります)
メイン展示室の2階へ
メイン展示室は建物の2階ですが、なるべくエレベーターで行きましょう。
ちょっとした面白い仕掛けがあるので。
メイン展示室は、はっきり言って狭いです。
3階建ての建物なのに、展示があるのは2階の半分だけ。1階には何故か普通の図書館が入っています。
多分、こんなに貴重なコレクションが集まるとは、想定していなかったんじゃないかなと思います。
ヴォストーク宇宙カプセル
このサ○ヤ人が乗ってそうな宇宙カプセルは、世界初の有人宇宙飛行を成功させたヴォストーク計画の機体です。
「地球は青かった」のガガーリンも、これと同型機に乗りました。
この展示物のスゴイところは、本当に宇宙から帰ってきた機体であることです。
大気圏に突入しているので、約2000度の摩擦熱で付いた焦げ跡やヒビ割れを間近で見ることが出来ます。ロマンの塊ですね。
ちなみに、これと同型機が2011年にアメリカのオークションに出品されて、2億4000万円で落札されました。
博物館建設時の展示予算が2億円だったらしいので、正攻法で集めていたらコレ一つも買えていないわけです。
改めて、公務員すげえ。
マーキュリー宇宙船
次は、アメリカ初の有人宇宙飛行を成功させたマーキュリー計画の宇宙船です。
入り口に置いてあった「レッド・ストーン・ロケット」の先端に取り付けて発射されました。
中にはマネキンも展示されています。
乗員は1人だけで身長は180cm以下、体重は82kg以下の制限もありました。
ちなみにアメリカ初の宇宙飛行士はアラン・シェパードで、「地球は青かった」のガガーリンは旧ソ連(ロシア)の人です。
ルナ・マーズローバー
大きくて全景が入っていませんが、月面や火星を走ることを想定して作られた「ルナ・マーズローバー」です。
世界に一台のプロトタイプ機で、実用段階に至るまで何度も改造された本物の機体です。
特徴としては4つの車輪全てにモータが付いているので、小回りの効いた操縦が出来るそうです。
アポロ司令船
月面着陸を成功させたアポロ計画の司令船です。
月の周回軌道上で待機していた3人乗りの機体で、このせまい中で6日間も過ごしたそうです。(さすがに使用された機体じゃないですが、本物と同じ素材で作られています)
余談ですがチョコレートのアポロは、この司令船がモチーフになっています。
月面探査機ルナ24号
無人の月面着陸を成功させて、月の石も持ち帰った旧ソ連の機体です。
本物のバックアップ機で、現存するものは世界でコレ1台だけと言われています。
アメリカのオークション会社から出品の誘いもあって、そのときのオファーが13億円スタートだったとか・・・。
あんまり有名じゃないので素通りするお客さんも多いですが、実は展示物で一番高価だったりします。
触れる隕石の欠片
世界最大のクレーターを作ったとされる隕石に触ることが出来ます。
近くには月の石も展示されています。(石が細かすぎて砂利みたいですが)
スペースシャトルの断熱タイル
なんでも鑑定団で400万円の値が付いた、スペースシャトルの断熱タイルも展示されていました。
オカルト番組で有名な矢追純一の私物だそうです。
他にも多数の展示
他にも月面着陸船や宇宙服、ボイジャー惑星探査機などが展示されています。
モノはすごいのに、堅苦しい展示解説で損をしている気がするので、宇宙好きのスタッフに好きに解説して欲しいなと思っています。
売店
売店では宇宙に関するグッズや、宇宙食も売っています。
宇宙たこ焼きとかもあったので、ネタのために買っておけばよかった。
所要時間
そんなに広い展示室ではないので、ざっと回ると20分ぐらい。
じっくり解説を読みながら進むと60分かなと思います。
他にも映像シアターがあって、宇宙に関する30分ほどの番組が放映されています。(別途有料)
営業時間と入館料
営業時間 | 8:30~17:00(最終入場16:30) | |
定休日 | 火曜日(祝日の時はその翌日)、年末年始 | |
入館料 | 大人500円、子供250円(シアターは別途大人500円、子供250円) | |
公式ホームページ | 開館時間・料金(最新情報を確認下さい) |
営業時間は8:30からです。
いつ行っても混む心配はないと思います。
大型連休のときに計2回訪れていますが、どっちも空いてました。
アクセス
住所 | 〒925-0027 石川県羽咋市鶴多町免田25 | |
電話番号 | 0767-22-9888 | |
電車 | 羽咋駅から徒歩10分ほど | |
駐車台数 | 約200台(図書館と供用) | |
駐車料金 | 無料 | |
公式サイト | 交通アクセス(最新情報を確認下さい) |
金沢駅から最寄りの羽咋駅まで、電車で60分ほどです。
羽咋駅からは1kmぐらいなので普通に歩けると思います。
地図
最後に
コスモアイル羽咋は、田舎の博物館とは思えないほど見応えのある施設です。
ですが展示室は狭いので、宇宙大好きな人以外は他の観光地と組み合わせるようにしましょう。
逆に言うと、宇宙好きは絶対に訪れましょう。