記事の要約
・エンタメ性が高い美術館
・有名なプールの作品はメチャクチャ並ぶ
・開館は9:00でも、展示室へ入れるのは10:00から
金沢21世紀美術館とは
金沢21世紀美術館は、石川県の金沢にある美術館です。
現代アートの美術館ですが、誰でも楽しめるような作品が多いのが特徴です。
特にプールの作品が有名ですが、他の見どころも合わせて紹介していきます。
金沢21世紀美術館の見どころ
それでは常設展示の作品を中心に紹介していきます。
常設展示のエリアは全体の半分ぐらいで、残りのスペースでは企画展が実施されています。
スイミング・プール(作者:レアンドロ・エルリッヒ)
「21世紀美術館と言えばコレ!」というぐらい有名なプールの作品です。
プールのように見えますが、実際には透明なガラスが表面に張られていて水深は10cmほどです。
プールの下に入ることが出来ますが、一組ずつ入ることになるので休日は30分以上の待ち時間が必要です。
どうしても見たい場合は、朝一か平日を狙いましょう。
ちなみに中から見るとこんな感じです。
せっかく中に入れても滞在時間は一瞬なので、作品を十分楽しむ時間は取れません。
並んで時間を無駄にするより、外から眺めるだけでいいんじゃないかなと思います。(ただし雨天時は、外は閉鎖されます)
ブルー・プラネット・スカイ(作者:ジェームズ・タレル)
「タレルの部屋」とも呼ばれています。
天井に穴が空いただけの作品なんですが、なぜか居心地がよかったです。
この部屋には、作者の「どのように光を感じるか」という問いかけが含まれています。
ボーッと座って、光を楽しむようにしましょう。
I’m Here, but Nothing(作者:草間彌生)
これは常設展示じゃありませんが、金沢21世紀美術館で一番好きな作品なので紹介しておきます。
作者は、水玉のかぼちゃで有名な草間彌生です。
部屋自体が水玉に包まれていて、それをブラックライトで照らした作品になります。
ちょっと目がチカチカしますが、不思議な世界に迷い込んだかのような体験が出来きます。
白っぽい服を着ていくとブラックライトに反応するので、より作品を楽しめると思います。
有名なアーティストって、どうしても自己模倣の既視感だらけの作品が多くなってしまうものですが、草間彌生の引き出しの多さにはビックリです。
個人的には常設展示して欲しい作品です。
市民ギャラリー 2004.10.09-2005.03.21(作者:マイケル・リン)
ただのカラフルな壁と言えばそれまでですが、れっきとした作品です。
加賀友禅をモチーフにした花模様で彩られています。
カラー・アクティヴィティ・ハウス(作者:オラファー・エリアソン)
これは屋外に展示されているので、無料で見れます。
渦巻き状に三枚の色ガラスが設置された作品です。
見る場所や人によって異なる色に見えることから、人と風景の偶然の出会いを表現しているそうです。
球体のパビリオン「まる」(作者:妹島和世+西沢立衛/SANAA)
こっちも屋外作品で、2014年の開館10周年を記念して作られました。
近づくと周りの景色が面白く映ります。
作品の内側からも楽しめるようになっているので、中に入っておきましょう。
リフレクション・モデル <テセウスの船>(作者:岩崎貴宏)
これも常設展示じゃないですが紹介しておきます。
広島にある厳島神社の模型で、海に反射する姿を再現した作品です。
水面に写った姿を再現するために、下半分は反転して作られています。
近くで見ると灯りのランプまで再現されていて、すごい執念を感じます。
この作品も常設展示して欲しいところですが、かなり展示スペースを取るので難しいのかなと思います。
ちなみに作品名にもなっている「テセウスの船」は、ギリシャ神話に出てくる船のことです。
その船は木造なので朽ちた部材を取り替えていったところ、全ての部材が新しいものに置き換わりました。
果たして「それは元のテセウスの船と呼べるのか?」といった疑問が出てくる話です。
建物の外観(建築家:妹島和世+西沢立衛/SANAA)
金沢21世紀美術館は、「街に開かれた公園のような美術館」を目指して建てられました。
なので、どこからでも入れるように正面や裏側がない円形のデザインが採用されたそうです。
建築家の一人の西沢 立衛(りゅうえ)は超有名人物で、同じく現代アートがメインの「十和田市現代美術館」も設計されています。
カフェレストラン 「Fusion21」
「美術館で第2の感動」をコンセプトに、地元食材を取り入れたメニューが用意されています。
お昼になったら混むので、午前中の早めの利用がオススメです。
紅茶とケーキセットを頼みましたが、時間を測る砂時計(水時計?)が無駄にオシャレでした。
こういうの美術館のカフェっぽくて、いいですよね。
地元の食材を使った「能登の恵みのマリアージュ」ですが、正直この味で1000円近くするのはキツいかなと感じました。
メニューの中に「MAPLE HOUSE」という地元のケーキショップの商品もあったので、そっちにすべきでした。
個人的に、金沢は全国屈指のスイーツ激戦区だと思っているので。
所要時間は60〜120分
待ち時間が発生する作品は無視すると、ざっと回ると60分ぐらい。
プールの地下などにも並んで、じっくり作品を鑑賞しながら進むと120分ぐらいかなと思います。
(現代アートって、訳わからなくて素通りするか、時間をかけて考えるかの2択なので時間に幅が出ています)
予約方法と混雑具合
展覧会によっては、予約が必要になる場合もあります。
公式サイトで確認してから訪れましょう。予約が必要な場合は、トップページに大きく表示されるはずです。
プールの地下に入るところだけは混むので、入りたい場合は朝一に訪れましょう。
営業時間と入館料
営業時間 | 建物:9:00〜19:00(金・土曜日は21:00まで) 展示室:10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで) | |
定休日 | 年末年始、月曜日(祝日の時はその翌日) | |
入館料 | 展覧会により異なる。 特別展なら大人1200円程度、コレクション展なら大人500円程度。 | |
公式ホームページ | 開館時間・料金(最新情報を確認下さい) |
建物自体は9:00に入れますが、展示室は10:00からなので注意しましょう。
無料で見れる作品も多いですが、肝心なところは全部有料なので素直に入館料を払いましょう。
金沢市民の場合は、無料になる日が結構あります。
金沢市民が無料の日
2022年1月8日、2月12日、3月12日
アクセス
住所 | 〒920-8509石川県金沢市広坂1-2-1 | |
電話番号 | 076-220-2800 | |
バス | 金沢駅からバスで20分ほど | |
駐車台数 | 322台(金沢市役所・美術館駐車場) | |
駐車料金 | 最初の30分無料。 以降30分ごとに150円(23:00~翌朝8:30の間は1000円) | |
公式サイト | 交通アクセス(最新情報を確認下さい) |
金沢駅から3kmぐらいなので、元気のある人は歩いてもいいかもしれません。
歩く途中に近江町市場や、金沢城公園もありますし。
ただし夏の場合は絶対にバスに乗りましょう。金沢を雪国だと思って油断していると普通に暑いです。
建物は円形なので、どこからでも入れます。
ただし結局チケット売り場は一つなので、西口から入ると建物内を半周することになります。
なるべくチケット売り場に近い東口から入るようにしましょう。
地図
最後に
よく考えると「これ面白いな!」と感じた作品は、半分ぐらい常設展示じゃありませんでした。
(面白かったけど撮影禁止で紹介出来ない常設作品もあります。「世界の起源 < L’Origine du monde >」とか)
楽しめるかどうかは、その時の企画展の質に左右されるかもしれませんが、常設点だけでも一度は訪れる価値があります。
なるべくコレクション展(その美術館が収蔵している作品が展示される企画展)のときに行く方が、ハズレが少ないかなと思います。