記事の要約
・かつては風葬で亡骸が野ざらしになっていた場所
・現在では無縁仏の寺として整備されている
・実は怖い心霊スポット?
あだし野念仏寺(あだしのねんぶつじ)とは
あだし野念仏寺は、京都の嵐山にある寺院です。
無縁仏の寺として有名で、数えきれないほどの石塔(墓石)が並んでいます。
今回はそんな、あだし野念仏寺を紹介していきます。
1200年前に空海が建立
あだし野念仏寺は、811年に空海(弘法大師とも呼ばれる真言宗の開祖)が建立したと伝えられています。
最初は、ただ亡骸を置いておくだけの風葬の地でしたが、後に土葬に変わっていきました。
化野(あだしの)の地名は、「無常の野」という意味を持ちます。
明治時代にこの地域に散在していた無縁仏が集められて、現在の形になりました。
その石塔の数は約8000体にもなります。
怖い心霊スポット?
あだし野念仏寺は1000年以上前から墓地だったこともあり、心霊スポットのように扱われることがあります。
でも無縁仏とはいえ、今はしっかり供養されているのでそういう心配はいらないかなと思います。
西院(さい)の河原内では撮影禁止
石塔が並ぶ場所は、「西院(さい)の河原」と呼ばれています。
あの世とこの世をつなぐ、三途の川の河原のことですね。
中では撮影禁止になりますので、供養の気持ちを持って見学しましょう。
京都で本当の心霊スポットは?
京都の歴史的にヤバい場所で言うと、処刑場があった三条河原〜六条河原の鴨川辺りかなと思います。
今ではカップルしか見かけない鴨川ですが(偏見)、かつては石川五右衛門や石田三成、新撰組の近藤勇などが晒し首になった場所になります。
他にも数えきれないほどの罪人が処刑されているので、この世に恨みを残した数でいうとダントツじゃないでしょうか。
でも三条河原の周辺は地価も高くて都市開発もされているので、心霊スポット感はまったくありません。
1000年近く処刑場だった三条河原が心霊スポットじゃなくて、あだし野念仏寺みたいに供養されている場所が心霊スポット扱いなのは、個人的にしっくり来ません。
他の見どころ
竹林の道
嵐山の中心には有名な「竹林の道」がありますが、あだし野念仏寺にも似たような道があります。
こっちは観光客も少ないので、じっくりと風情を楽しむことが出来ます。
仏舎利塔(ぶっしゃりとう)
インドの世界遺産「サーンチーの塔」を模した仏舎利があります。
写真に収まってないですが、そこそこ大きいです。
混雑具合
観光地の嵐山にありますが、こんな奥地まで来る観光客は限られているので空いています。
紅葉シーズンに行っても人は少ないので、人混みに疲れたときにもオススメの場所です。
所要時間は30分
そんなに大きな寺院ではないので、30分ぐらいで見て回れます。
拝観時間と拝観料
営業時間 | 9:00〜16:30 | |
定休日 | 年中無休 | |
拝観料 | 大人:500円、高校生以下:400円、小学生以下:無料 | |
公式サイト | 利用案内(最新情報を確認下さい) |
ちょっと不便な場所にあるので、苔寺で有名な「祇王寺」や「愛宕念仏寺」と合わせて行くのもオススメです。
アクセス
住所 | 〒616-8436 京都市右京区嵯峨鳥居本化野町17 | |
電話番号 | 075-861-2221 | |
電車+バス | 嵐電「嵐山駅」からバス15分 | |
公式サイト | 交通アクセス(最新情報を確認下さい) |
アクセスは悪いので、嵐山駅からタクシーを使うことをオススメします。(3kmぐらいなので、タクシー代は1000円ぐらいのはず)
バスは時間に遅れることも多いので、朝一以外は使わない方がいいです。
あだし野念仏寺からの帰りは、嵐山駅まで歩いて帰るのもオススメです。
地図
最後に
あだし野念仏寺はアクセスは悪いですが、8000体もの石塔は他では見られない迫力があります。
観光客も少なめの穴場スポットなので、嵐山に行く際には訪れてみてください。
京都旅行が2回目以降の、ちょっと変わったところが行きたい人にオススメです。